特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
4.インフルエンザ感染症の治療
山﨑行敬
1
,
國島広之
2
1聖マリアンナ医科大学感染症学講座
2聖マリアンナ医科大学感染症学講座 教授
pp.2209-2212
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102209
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インフルエンザ感染症は,若年者から高齢者まで年齢を問わず,健常者だけでなく基礎疾患を有する者や免疫不全患者などを含め,多くの罹患者が見られる最大の市中感染症の一つである。従来,わが国では良好な医療アクセス,国民皆保険制度の下に,インフルエンザ迅速診断検査の普及や,豊富な抗インフルエンザ薬の使用経験を有し,日常診療やH1N1pdmによる2009年のパンデミックインフルエンザのコントロールを含め,多年にわたるインフルエンザ診療を行っている。近年では,ノイラミニダーゼ阻害薬のほか,わが国からRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬およびキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬が創薬され,その位置づけが期待されている。