特集 免疫チェックポイント療法の新潮流
9.免疫チェックポイント阻害薬の臨床薬理
薮田直希
1
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部
pp.1863-1868
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081863
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抗体医薬品の消失過程では肝代謝や腎排泄は関与しておらず,これらを介した薬物動態学的相互作用や臓器機能に応じた投与量調節は基本的に考慮する必要はない。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)により引き起こされる免疫関連有害事象(irAE)は,全身のあらゆる臓器,組織に起こり得る自己免疫疾患様の副作用であり,irAEを早期に発見し適切な治療を開始するには,患者教育や医療者の教育をはじめ多職種連携や診療科間の密接な連携が重要である。今後,さらにICIの使用症例は増えてくると考えられ,irAEのマネジメント体制を整備することが求められる。