連載 感染症診断と病理
腫瘍ウイルスを証明する(2)
堤寬
1
1つつみ病理相談所・所長
1E-mail:pathos223@kind.ocn.ne.jp
pp.1759-1766
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081759
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発癌メカニズムには,ウイルス発癌と化学発癌が知られている。ともに動物実験で証明されたが,ヒトでもウイルス感染が腫瘍化をもたらす場合は少なくない。前回に引き続き,腫瘍組織の中に組織・細胞化学的に可視化される腫瘍ウイルスのうち,ヒトヘルペスウイルス8型,メルケル細胞ポリオーマウイルス,B型・C型肝炎ウイルス,ヒトT細胞白血病ウイルスを例示する。巻頭図として,腎移植後に発生した腎盂癌(尿路上皮癌)の尿細胞診検体の異型細胞にみいだされたBKウイルスを示す。