Japanese
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Current Opinion
PCIに虚血の証明は必要か?
Detection of Ischemia: Is it necessary for PCI?
小向 賢一
1
,
北端 宏規
1
,
赤阪 隆史
1
Kenichi Komukai
1
,
Hironori Kitabata
1
,
Takashi Akasaka
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Wakayama Medical University
pp.633-637
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101501
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冠動脈狭窄における虚血評価
冠動脈狭窄に対する治療の目標は,あくまで症状に伴う日常生活制限の軽減と生命予後の改善である.すなわち,見た目の狭窄を単純に広げることが目的ではなく,心筋虚血に関連する病変を見極めて治療することが重要である.
冠動脈狭窄は従来冠動脈造影法によってその存在,重症度が評価されてきたが,冠動脈造影法はあくまで管腔造影検査であるため,その病変が心筋虚血を生じうるのかという判断は困難である.もちろん解剖学的な狭窄の重症度評価法として,定量的冠動脈造影法(quantitative coronary angiography;QCA)や血管内超音波法(intravascular ultrasound;IVUS)による評価は確立されているが,心筋虚血の出現は断面的な狭窄の重症度のみならず,狭窄長やその灌流域の心筋の酸素需要などにも影響を受けると考えられ,それらを加味した狭窄の機能的評価が必要である.そのため日常の臨床においては,負荷心エコー図法,心臓核医学検査などを用い,経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)の適応を決定することが多い.
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