連載 感染症診断と病理
腫瘍ウイルスを証明する(1)
堤寬
1
1つつみ病理相談所・所長
1E-mail:pathos223@kind.ocn.ne.jp
pp.1553-1567
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018071553
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発癌メカニズムには,ウイルス発癌と化学発癌が知られている。ともに動物実験で証明されたが,ヒトでもウイルス感染が腫瘍化をもたらす場合は少なくない。腫瘍組織の中に組織・細胞化学的に可視化される腫瘍ウイルス(ヒトパピローマウイルス,エプシュタイン・バールウイルス,ヒトヘルペスウイルス8型,メルケル細胞ポリオーマウイルス,B型・C型肝炎ウイルス,ヒトT細胞白血病ウイルス)を2回に分けて例示する。今回は,ヒトパピローマウイルスとEBウイルスを取りあげる。巻頭図として,子宮頸部異形成病変におけるヒトパピローマウイルスゲノムの局在を示す。