特集 神経難病と創薬
3.神経難病と細胞治療の現状と将来
近藤孝之
1
,
井上治久
2
1京都大学iPS細胞研究所/理化学研究所バイオリソース研究センターiPS創薬基盤開発チーム/理化学研究所革新知能統合研究センターiPS細胞連携医学的リスク回避チーム 特定拠点助教
2京都大学iPS細胞研究所/理化学研究所バイオリソース研究センターiPS創薬基盤開発チーム/理化学研究所革新知能統合研究センターiPS細胞連携医学的リスク回避チーム 教授
pp.1623-1623
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018071623
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現在,神経難病に対する治療は,薬物治療・リハビリテーションをはじめとする対症療法が中心で,病態の進行を抑制する治療法の開発が期待される。近年の神経難病病態に対する理解の進展と,iPS細胞技術をはじめとする細胞生物学におけるブレイクスルーを組み合わせ,新しい治療手段としての細胞移植治療が現実となりつつある。 本稿では,細胞移植による神経難病治療についての取り組みを概説し,細胞移植治療を進めていく上で重要な免疫拒絶反応の制御に関する現状,さらに移植治療が適切に運用されるための体制整備について論じる。