特集 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが示す方向性~新規抗菌薬・診断法の開発を含めて~
8.薬剤耐性(AMR)と医療経済
莊司智和
1
,
赤沢学
2
1山梨大学医学部附属病院薬剤部/感染制御部
2明治薬科大学公衆衛生・疫学研究室・教授
pp.837-840
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803837
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2016年に発表された日本の薬剤耐性(AMR)アクションプランには,経口抗菌薬の使用量の削減目標が示されている。国内の外来診療においては,特に小児への抗菌薬処方量が多く,処方妥当性の検討が必要ではないかと考える。保険償還データをはじめとするビッグデータを用いた各国の検討では,急性上気道炎に対する抗菌薬の合併症予防効果は低いとの結果も出ている。不適切処方を減少させることを目的の一つとして,2017年に「抗微生物薬適正使用の手引き」が発表された。不適切な抗菌薬の処方を減らすことが医療経済の損失回避に繋がる可能性がある。