連載 薬剤師が知っておくべき 臓器別画像解析の基礎知識 87
14.泌尿器科分野 5)尿路結石症の画像診断
松尾光哲
1
1久留米大学医学部泌尿器科学講座・准教授
キーワード:
尿路結石症,KUB,単純CT,Dual energy CT
Keyword:
尿路結石症,KUB,単純CT,Dual energy CT
pp.743-747
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803743
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尿路結石とは,尿中に排泄されたカルシウムや尿酸などの結晶が凝集して固まったものである。尿路結石症は急性腹症の主因の一つであり,臨床的にも実際に遭遇する頻度が高い疾患である。尿路結石の特徴は突然出現する疝痛発作と肉眼的血尿で,激しい腹痛や腰背部痛,さらには大腿部や外性器への放散痛などが見られることがある。またこれらの出現に伴い,悪心・嘔吐などの消化器症状も出現する。診断には画像検査が必須となり,古くから超音波検査やX線検査が行われているが,必ずしも結石の位置や大きさを診断することはできない。今日ではCT(computed tomography)検査(単純CT)が最も診断率が高いとされ,尿路結石症診療ガイドライン(第2版)においても推奨されている。また近年は,低線量CTやDual energy CTなど新たな診断技術も開発され,徐々に広まりつつある。特にDual energy CTでは結石成分が予測可能であり,治療法の選択には重要な情報となる。