第 I 部 新薬創出に向けたプラットフォーム構築
3.再生医療
福嶌五月
1
,
宮川繁
2
,
澤芳樹
3
1大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科 学内講師
2免疫再生制御学・特任准教授
3免疫再生制御学・教授
pp.242-245
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713242
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次世代の医療として注目されている再生医療であるが,その歴史は20 ~ 30 年と決して長くない。この間,遺伝子導入・改変に代表される科学技術革新とともに,特に,治療法のなかった難病に対する治療として飛躍的に発展してきた。特にiPS 細胞の開発は,再生医療の枠を大きく拡げることに繋がった。すなわち,iPS 細胞の分化誘導産物を用いた組織や臓器の置換型再生,疾患特異的iPS 細胞を用いた難病のメカニズム解明,難病への創薬など,その応用範囲は限りない。さらに,免疫原性の少ない間葉系幹細胞を用いた非自己細胞移植は,さまざまな疾患に応用され,数多くの臨床試験が行われている。本邦では再生医療製品に限り,条件付き薬事承認を与えることで,難病に対する再生医療の普及を推進しており,その成果が期待される。