医薬ジャーナル論壇
インフルエンザ薬物療法への薬剤師の貢献―地域医療で多職種と連携―
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.2409-2411
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201711023
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
インフルエンザ薬物療法の進展が目覚ましい。20世紀末までは,インフルエンザ治療の主軸は解熱などの対症療法で,原因ウイルスへの根本的な治療法はなかった。しかし,1998年のアマンタジンを皮切りに,2001年のオセルタミビル,ザナミビルと,抗インフルエンザ薬の上市が続き,今では薬物療法が治療の主体になっている。わが国のインフルエンザ診療を最前線で支えてきたのは,地域の診療所やクリニックであるが,超高齢社会を迎えた今,医療の中心は病院から地域へと一層移行しつつある。一方,患者のうちでも特に高齢者では,多剤併用(ポリファーマシー)の問題があり,最適な治療のためには適切な処方設計が欠かせない。薬物療法の専門職として,薬剤師には地域でのインフルエンザ診療を,薬学的見地から支える役割が求められている。