特集 先制医療が切り拓く新たな地平~ライフコース・ヘルスケアの確立を目指して~
8.ライフコース・ヘルスケアの基盤整備のための学校健診情報,母子保健情報のデータベース構築
川上浩司
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻薬剤疫学分野・教授
pp.2089-2093
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201709107
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人生の健康の歴史を紡ぐライフコースデータにおいて,特に幼少期から学童期の健診情報は,一生における健康情報基盤として重要である。そこで我々は,全国の自治体と連携して,母子保健法に基づく乳幼児健診および学校保健安全法に基づく学校健診情報を収集し,二次利用可能な形でのデータベース構築を進めている。連携自治体および連携自治体在住の学童の保護者には,健康分析レポートを無償で還元し,また,携帯端末等で自分自身の健診記録が管理可能となる,パーソナルヘルスレコード(PHR)も開発している。本稿では,その手法,現状,展望について解説する。