特集 人工知能(AI)がもたらす創薬イノベーション
7.データベース・計算環境~知識データベース・AI基盤
長尾知生子
1
,
種石慶
2
1医薬基盤・健康・栄養研究所創薬デザイン研究センター インシリコ創薬支援プロジェクト・サブプロジェクトリーダー
2理化学研究所科技ハブ産連本部医科学イノベーションハブ推進プログラム
pp.2063-2067
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018092063
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近年,さまざまな分野で人工知能(AI)の応用が進んでいるが,これは大量に得られるようになったデータと計算環境の発達によってもたらされた。ここでは,創薬分野におけるAI開発を支えるデータと計算環境の現状について議論する。創薬プロセスにおいては,ゲノム,タンパク質,化合物や薬剤とタンパク質との相互作用,薬効,薬物動態,毒性データ,電子カルテなどの臨床データ,また,論文や申請文書などのさまざまな分野のデータの取り扱いと,シミュレーション,ビッグデータ分析,機械学習,深層学習などの多様な計算ニーズが存在する。創薬のためのAI開発では,これらのデータと計算を組み合わせたパイプラインの構築が必要とされており,そのための課題と今後の展望についても述べる。