特集 診察の終わりにこの質問!―ライフサイクルの視点から
ライフサイクル,ライフコースを基盤とした家庭医療
藤沼 康樹
1
1日本生協連医療部会家庭医療学開発センター
キーワード:
家庭医
,
家庭医療
,
継続性
,
ライフサイクル
,
ライフコース
Keyword:
家庭医
,
家庭医療
,
継続性
,
ライフサイクル
,
ライフコース
pp.10-14
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101825
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家庭医療の特徴と独自性
「家庭医療とは何か?」については,さまざまの見解がある.家庭医療がヘルスケア・システムのコンテキストに依存する医療形態なので,国ごとに,また地域ごとにその定義も異なるかもしれない.しかし,家庭医と呼ばれる医師たちの活動内容,彼らを支える価値観,そして,よりよいヘルスケア・システムのなかで家庭医が果たすべき役割に関しては,何らかのコアとなる原則があると思われる.筆者らは,「特定の個人,家族,地域のすべてに継続的に関わる」ことが家庭医の行動原則と考え,そのキーワードであるspecific person, family, community and continuityを取りだし,それらの頭文字をとって,sPFCCと呼んでいる1).図1に,sPFCCに基づく家庭医のケアのモデルを示す.家庭医にとって連続しているのは,かかりつけの患者・家族であり,健康問題やライフイベントなどがエピソードとしてやってくる.それに比して,特定の疾患を専門とする医師の場合,おそらく連続体はその疾患群のヴァリエーションや重症度であり,患者がエピソードとしてやってくる.そしてその問題が解決されれば,その患者のケアは終了し,医師-患者関係も解消される場合が多いだろう.
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