特集 糖尿病の最新治療と総合戦略~薬物療法を中心に~
8.膵β細胞の再生医療の現状と今後
宮崎早月
1
,
宮崎純一
2
1大阪大学大学院医学系研究科共同研究実習センター
2大阪大学産学共創本部イノベーション共創部門・特任教授
pp.1691-1698
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707117
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糖尿病の抜本的な治療を目的として,膵β細胞の再生医療に期待が集まっている。再生のためのβ細胞のソースとしては,胚性幹細胞(ES細胞),人工多能性幹細胞(iPS細胞),内分泌前駆細胞,既存のβ細胞自身,β細胞以外の膵細胞(膵管細胞,膵外分泌細胞)などが研究に用いられている。最近,注目されているのは,膵臓の外分泌細胞(腺房細胞)を生体内でβ細胞に変えようとする研究である。また,膵臓の中でβ細胞を選択的に増殖させる因子の探求も行われている。本稿では,このような研究分野の進展を紹介する。