特集 糖尿病の最新治療と総合戦略~薬物療法を中心に~
7.CGM を活用した糖尿病診療の実際
森豊
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 糖尿病・代謝・内分泌内科・教授/診療部長
pp.1679-1689
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707105
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心血管イベントの発症阻止を見据えた糖尿病治療においては,HbA1cに加えて,低血糖および食後高血糖を避け,血糖日内変動の平坦化された血糖管理が重要視されており,近年CGM(Continuous Glucose Monitoring)が糖尿病診療に活用されている。現在,臨床で使用されている7系統の経口血糖降下薬は,血糖日内変動の視点から「主に24時間の平均血糖値を低下させる薬剤(ビグアナイド薬,チアゾリジン薬,SU〔スルホニル尿素〕薬,SGLT2〔sodium-glucose co-transporter 2〕阻害薬)」,「主に血糖変動幅を縮小させる薬剤(α-GI〔α-グルコシダーゼ阻害薬〕,グリニド薬)」,両者の特性を備えた薬剤(DPP-4〔dipeptidyl peptidase-4〕阻害薬)に分類される。また,併用薬の組み合わせとしては,作用機序の異なった薬剤の併用という考え方に加え,各薬剤の血糖降下特性を念頭に置いて血糖降下特性の異なった薬剤の組み合わせを選択することが重要である。