連載 薬剤師による処方設計〈57〉
集中治療領域における薬物治療管理に必要な知識
宮川泰宏
2
,
神山裕一
1
,
阪井祐介
1
,
山田清文
3
1名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・医学部附属病院薬剤部
2名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・医学部附属病院薬剤部 室長
3名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・医学部附属病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.1505-1511
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706133
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集中治療室(ICU)では,持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT),血漿浄化(plasma pheresis:PP)など,一般病棟では使用困難なさまざまな医療機器が用いられる。これらの機器による影響を踏まえた上で処方提案することは,集中治療に関わる薬剤師にとって重要であるが,その際には文献や教科書の投与量をそのまま適用するのではなく,薬物動態を考えながら投与設計を行う必要がある。また,敗血症などの症例においては,過大腎クリアランス(augmented renal clearance:ARC)の発生も報告されており,医療機器だけではなく病態としての薬物動態変化にも注意をする必要がある。本稿ではICUにおいて,薬剤師が注意すべき点について記述する。