増刊号 消化器・一般外科医のための—救急・集中治療のすべて
Ⅰ章 周術期の集中治療
循環管理
集中治療領域における循環動態の評価
林下 浩士
1
Hiroshi RINKA
1
1大阪市立総合医療センター救命救急センター
pp.50-54
発行日 2016年10月22日
Published Date 2016/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211346
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POINT
■循環評価の指標のなかで,何よりも血圧および脈拍の2指標が重要である.それに加え血管内容量を評価し(時にその評価は困難であるが),適切に対処することが,組織灌流障害ひいては各臓器機能の低下を予防・改善するうえで大切である.その評価により容量負荷,心血管作動薬の持続投与,時には利尿薬投与などの前負荷を軽減する治療を選択する.
■血管内容量を評価する数々のモニタリングには,それぞれに制限や欠点があり適正な血管内容量の判断は困難であることが多い.血管内容量の評価は,単独の指標を参考にするのではなく複数の指標から総合的に判断すべきである.
■乳酸値およびその推移は,循環動態の緊急度・重症度,それに対する治療効果を知るうえで有用な指標である.
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