特集 移行期医療~小児期から成人期への円滑な橋渡しを目指して~
8.小児外科疾患
尾花和子
1
,
八木實
2
1愛育病院小児外科・診療部長/日本小児外科学会トランジション検討委員会・委員長
2久留米大学医学部外科学講座小児外科部門・主任教授/日本小児外科学会トランジション検討委員会・担当理事
pp.97-102
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701097
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周産期・小児医療の進歩に伴い,小児外科疾患についても手術治療を終了し成人期に達するものが多くなってきた。しかし,手術や疾患そのものにより機能障害をきたしたり,続発する合併症によって新たな症状が出る場合もあり,移行期医療の重要性が注目されている。稀少な先天性疾患や,排泄管理や特殊な栄養管理,長期フォローを要するものについては,年齢とともに成人診療科へ転科をすすめるというものではなく,小児外科医が診療を継続するべきものや,他科との連携が望まれるものもある。代表的な疾患を中心に病態の特徴をまとめたガイドブック等を活用し,身体的な診療だけでなく,成人になっていく自立の支援の一環を担っていく必要がある。