Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
小児整形外科疾患
Pediatric orthopedic disorder
川口 泰彦
1
,
大谷 卓也
1
Y. Kawaguchi
1
,
T. Otani
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., The Jikei University DAISAN Hospital, Tokyo
キーワード:
SCFE
,
FAI
Keyword:
SCFE
,
FAI
pp.1066-1073
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1066
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症 例.10歳,女児.
主 訴:跛行,右膝周囲の痛み.
家族歴・既往歴:特記すべきことはない.
スポーツ歴:なし.
現病歴:6ヵ月前頃より,明らかな誘因なく,右膝周囲の軽度の痛みが出現した.日常生活に支障はなかったが,友人に跛行を指摘され,走るのが困難となったため,近医整形外科を受診した.膝関節の単純X線撮影を受けたが異常はなく,関節炎の診断で湿布が処方され経過観察となった.その後も症状が改善せず,他医を受診した.股関節の単純X線撮影を受けるも異常がないといわれ,単純性股関節炎の診断で松葉杖と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方された.しかし,徐々に屈曲制限,外旋位歩行が増悪し,日常生活にも不自由を感じるようになったため当科を受診した.
初診時身体所見:身長141cm,体重52kg,body mass index(BMI)26.2kg/m2.歩行時の右股関節痛は高度ではなかったが,跛行と外旋位歩行は著明であった.股関節可動域(ROM)[右/左]は屈曲60°/100°,外転0°/40°,内旋−55°/35°,外旋70°/55°であり,右側のROM制限とりわけ内旋制限が明らかであった.
初診時画像所見:両股関節の単純X線正面像(図1),Lauenstein像(図2)を示す.
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