第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
統合失調症治療薬
髙濱和弘
1
,
武田泰生
2
1鹿児島大学医学部・歯学部附属病院薬剤部
2鹿児島大学医学部・歯学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
pp.468-479
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613468
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本邦における統合失調症の治療薬は,1996年にリスペリドンが上市されて以降,次々と非定型抗精神病薬(second generation antipshcotics:SGAs)が上市されたが,依然として難治性の統合失調症に有効な薬剤が求められている。また統合失調症患者では,疾患特性からアドヒアランスが低下した患者が多く,アドヒアランスの向上に寄与する剤形の開発が求められている。近年,SGAsの持効性注射剤(Long Acting Injection:LAI)がアドヒアランス向上の点で注目されており,本邦において2015年にアリピプラゾールのLAIが上市され,症状が安定した維持期の治療選択肢の一つとして期待されている。