第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
統合失調症治療薬
河野敬明
3
,
稲田健
1
,
石郷岡純
2
1東京女子医科大学医学部精神医学講座講師
2東京女子医科大学医学部精神医学講座主任教授
3東京女子医科大学医学部精神医学講座
pp.508-513
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413508
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2013年本邦で新たに承認された統合失調症治療薬は,パリペリドンパルミチン酸エス テル持効性懸濁注射液1剤である。既存の持効注射製剤に比べ,投与間隔が4週と長いこと,臀部以外への注射が可能なこと,投与初期の経口抗精神病薬が必ずしも必要でないことが利点である。
既存の非定型抗精神病薬に剤型の工夫を施したものとして,2012年にオランザピン速 効性筋注製剤が承認され,アリピプラゾール持効注射製剤,クエチアピン持続放出型製剤,ブロナンセリン経皮吸収型製剤の治験が進行中である。新たなセロトニン・ドパミン遮断薬の治験も複数行われており,本邦では5剤がphaseIIIの段階にある。