Japanese
English
特集 精神神経疾患の治療とQOL
統合失調症治療とQOL
Treatment and QOL of Patients with Schizophrenia
大森 哲郎
1
Tetsuro Ohmori
1
1社会医療法人あいざと会藍里病院あいざと精神医療研究所
1Aizato Hospital, Tokushima, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
主観的QOL
,
subjective QOL
,
客観的QOL
,
objective QOL
,
生活技能
,
life skills
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
主観的QOL
,
subjective QOL
,
客観的QOL
,
objective QOL
,
生活技能
,
life skills
pp.263-269
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206570
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抄録 統合失調症の治療では,長期的には安寧感,健康感,日常生活能力,社会的能力などを視野に入れた治療と支援が必要となる。すると状態把握として症状評価のみでは不十分となり,quality of life(QOL)評価が有用となる。QOL評価には,安寧感,健康感などを評価する主観的QOLと,日常生活能力,社会的能力などを評価する客観的QOLがあり,両者は同じくQOLといっても全く異なった側面を評価している。前者は抑うつ症状の影響を受けやすく,後者は陰性症状と認知機能の影響を受けやすい。QOLの向上のためには,過不足のない薬物療法とともに,生活上の能力障害(disability)に対するさまざまな心理社会的取り組みと,福祉的観点からの生活支援や就労支援などが有益である。能力障害の改善が疾患の改善にフィードバックされることも期待できる。
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