特集 おくすり比べてみました 知っておきたい!同種・同効薬の使いどころ
統合失調症治療薬
桑原 秀徳
1
1瀬野川病院
pp.92-97
発行日 2023年1月5日
Published Date 2023/1/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023010017
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統合失調症治療薬の中心は,最初の抗精神病薬であるクロルプロマジンの登場以降,一貫して抗精神病薬が担っており,ほかに代わる薬剤はいまだに登場していない.
統合失調症に対する抗精神病薬の効果については,極めて明白である.例えば,急性期の統合失調症治療においてハロペリドールはプラセボと比較して治療への無反応を相対リスク(relative risk:RR)として0.67倍[95%信頼区間(CI):0.56 to 0.80]に減少させ1),標準的な抗精神病薬のほとんどが,全般的症状改善においてプラセボより統計学的に有意に有効であることを示している2).さらに寛解後の再燃予防についても,7~12ヵ月後の再燃率はプラセボ群61%に対して抗精神病薬群24%であり,治療必要数(number needed to treat:NNT)はわずか3という,圧倒的ともいえる効果を示している3).
とはいえ,統合失調症に対する各種抗精神病薬の有効性は,薬剤間で比較すると急性期においても慢性期においてもそれほど大きな違いはない2,3).
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