特集 薬剤誘発性認知症
9.抗アレルギー薬・呼吸器病薬によって誘発される認知症・認知障害
冲永壯治
1
,
石木愛子
2
,
冨田尚希
3
,
沼崎宗夫
4
,
荒井啓行
5
1東北大学加齢医学研究所老年医学分野 准教授
2東北大学病院老年科
3東北大学病院老年科 院内講師
4東北大学病院老年科 准教授
5東北大学加齢医学研究所老年医学分野 教授
pp.2511-2513
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201611113
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近年の呼吸器病診療における薬剤の進歩は著しく,多くの治療選択肢が持てるようになった。半面,認知機能と関わりのある薬剤も同時に増え,その使用に際し注意を要することが多くなった。認知機能に関連する最も重要な薬剤は抗コリン作用を有するものであるが,それ以外にも中枢神経系に影響を及ぼすものが多数ある。一方,高齢者は多病であることが多くpolypharmacyになりがちで,いつのまにか認知機能を悪化させ得る薬剤が複数処方されてしまうことがある。これらが相加効果となって認知症が顕在化してしまうことは珍しいことではない。ここでは認知機能との関連が深い呼吸器病薬を作用機序別に解説する。