第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■抗アレルギー薬
黒野祐一
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学・教授
pp.394-402
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313394
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デキサメタゾンシペシル酸エステルは,モメタゾンフランカルボン酸エステル,フルチカゾンフランカルボン酸エステルと同じく,1日1回で有効な新規の鼻噴霧用ステロイド薬で,当初カプセル剤として発売されたが,その操作性をより簡便にするため,2012年1月に製剤粉末と噴霧器が一体となった定量噴霧式の「エリザス®点鼻粉末200μg 28噴霧用」として新たに承認された。本剤は粉末製剤であるため,保存剤や防腐剤などの添加物をいっさい含んでおらず,鼻粘膜への刺激が少なく,溶液製剤で問題となる鼻噴霧後の液だれや噴霧器の汚染がない。アレルギー性鼻炎のすべての鼻症状に有効で,長期間効果が持続し,副作用も少ないことが報告されている。