第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗アレルギー薬
岡野光博
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学・准教授
pp.411-423
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413411
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近年の抗アレルギー薬に関する新薬の特徴として,配合剤の相次ぐ上市がある。なかでも2013年は,アレルギー性鼻炎治療薬として第2世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン)と血管収縮薬(プソイドエフェドリン)を配合したディレグラ®が発売された。本剤はフェキソフェナジン単独に比較して鼻閉症状を有意に改善したことから,鼻閉症状が中等症以上の場合に本剤の使用を検討することが推奨されている。メタ解析により,変化は軽微であるがプソイドエフェドリンの内服で血圧および心拍数の有意な上昇がみられる。従って,重症高血圧の患者や重症冠動脈疾患の患者などには禁忌である。プソイドエフェドリンは現在ドーピングの対象薬剤となっており,トップアスリートへの投与は慎重に行う。