特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
9.インフルエンザワクチン~現状と課題~
福島若葉
1
1大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学・教授
pp.2303-2307
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610107
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現在わが国で市販されている不活化インフルエンザワクチンの「検査確定インフルエンザ」に対する予防効果は,ワクチン株と流行株が良好に合致しているシーズンで有効率50~ 60%程度と報告されており,接種により発病リスクを1/2~ 2/3程度に下げると考えられる。この数値は「有意」な(=統計学的に意味がある)有効率であるものの,国民が期待する水準を満たしているとは言い難く,批判にさらされやすい。本稿では,インフルエンザワクチンの有効性について,現状と課題を整理する。