特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
8.インフルエンザと肺炎
池松秀之
1
1日本臨床内科医会インフルエンザ研究班・リサーチディレクター
pp.2299-2302
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610103
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インフルエンザに関連して起こる肺炎は,ウイルス性肺炎,混合感染型肺炎,2次性細菌性肺炎の3型に分類されている。頻度が高いのは2次性細菌性肺炎であり,スペイン風邪の際にも死因として重要であったとされている。ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬の普及により,インフルエンザにおける肺炎の合併は減少していると思われるが,高齢者では依然として重要な問題であり,特に慢性疾患を合併したり,血清アルブミン値が低下しているようなハイリスク者では,注意が必要である。肺炎に対する早期の診断,適切な治療だけでなく,肺炎球菌ワクチンなどによる予防も重要である。