特集 インフルエンザの予防・感染対策・治療の最前線
3.インフルエンザの実験室診断
川上千春
1
,
七種美和子
1
1横浜市衛生研究所微生物検査研究課
pp.2268-2274
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610072
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ヒトのインフルエンザウイルスは,現在4種類のウイルスが世界中を循環し,抗原変異を繰り返している。インフルエンザ予防にはワクチンがあるが,常に変異しているウイルスの性状を解析し,新しいワクチン候補株を探さなければならない。これまで抗原解析や血清抗体検査が実験室診断の中心であったが,PCR(Polymerase chain reaction)検査の普及によって各種遺伝子検査が加わり,より詳細なデータ解析ができるようになった。また,わが国は抗インフルエンザ薬の世界最大の使用国であることから,耐性株監視のための薬剤感受性試験も重要な検査となっている。