特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
4.医療情報データベースを用いた行政施策の評価
佐井君江
1
1国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部第一室・室長
pp.1867-1871
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608075
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
市販後医薬品の安全対策を効果的に推進する上では,規制当局側で講じられた安全対策が実際に臨床現場で反映され,効果を発揮しているかを的確に把握・評価し,その後の対策に反映させていくことが重要となる。医療情報データベース(DB)を用いることにより,実臨床の医療行為や副作用動向を時系列的にモニターでき,安全対策の効果を的確に評価することが可能となる。筆者らは,共同研究病院施設との連携により,これまでに発出された緊急安全性情報や添付文書改訂等の事例を基に,医療情報DBを用いて,行政施策の医療現場における反映・効果の評価手法について検討を行ってきた。本稿では,2つの評価事例について紹介し,その実行性や課題について考察する。