特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
3.医療情報データベースを用いた副作用検出アルゴリズムの構築
頭金正博
1
1名古屋市立大学大学院薬学研究科医薬品安全性評価学分野・教授
pp.1861-1865
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608069
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病院情報ネットワークやレセプト情報等の大規模医療情報データベースは,データの巨大性および網羅性から,人の集団における薬物の影響を研究する薬剤疫学の基盤としての活用が期待されている。そこで,医薬品の市販後安全対策へ応用することより,それまで困難であった同効薬との副作用発現率の比較など,薬剤疫学的なリスク評価が可能になると考えられている。しかし,副作用を検出するためのアルゴリズムによるアウトカム同定の精度の低さ等の問題もある。 大規模医療情報データベースは,データの構成や数量等に特徴がある。それらの特徴を理解した上で,目的に応じてデータベースを選択し,データベースに応じた検出アルゴリズムを適切に使い分けることが重要になる。