特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
5.ナショナルデータベースを用いた副作用のシグナル検出
細見光一
1
1近畿大学薬学部・准教授
pp.1873-1879
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608081
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厚生労働省が構築した「レセプト情報・特定健診等情報データベース(ナショナルデータベース)」は,ほぼ全国民のレセプトがデータベース化された状況にある。薬剤による副作用の研究における重要な手法として,レセプトデータベースを用いたSequence symmetry analysis(SSA)の解析が知られている。SSAではPrescription sequence symmetry analysis(PSSA)とEvent sequence symmetry analysis(ESSA)が代表的な手法である。 本稿では,ナショナルデータベースを用いたPSSAとESSAによる抗精神病薬(非定型・定型)の錐体外路系症状のシグナル検出について紹介する。自発報告データベースを用いた解析とのMulti-methodological approachにより,副作用に関する情報強化に期待できる。