特集2 眼疾患におけるROCK阻害薬の可能性
1.ROCKに関するこれまでの研究と最近の動向
石崎敏理
1
,
寺林健
2
1大分大学医学部薬理学教室 教授
2大分大学医学部薬理学教室
pp.1489-1494
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061489
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ROCK(Rho-kinase/ROK)はアクチン細胞骨格の調節を介し,細胞運動などさまざまな細胞反応で重要な働きを担っている。また,ROCK阻害薬や遺伝子改変マウスを用いた解析から,個体発生・生体恒常性の維持に不可欠な蛋白質であることが明らかになっている。ROCKに関する報告は,近年でも年間100~200報の論文が発表されており,ROCK発見から本年で20年となる現在でも,研究は進展し続けている。本稿では,ROCKを介する細胞内情報伝達経路・個体での機能についてのこれまでの知見をまとめるとともに,最近のROCK研究で目覚ましい進展を遂げている癌との関わりについて紹介する。