特集2 眼疾患におけるROCK阻害薬の可能性
序~眼疾患に対するROCK阻害薬の可能性~
谷原秀信
1
1熊本大学大学院生命科学研究部眼科学分野・教授
pp.1485-1488
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061485
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ROCK(Rhoキナーゼ)阻害薬点眼液が,世界に先駆けて,緑内障治療薬として日本で承認された。ROCK阻害薬は,房水主流出路に奏効して,眼圧下降効果を発揮する。この治療効果は,既存の緑内障治療薬とは全く異なる新規メカニズムであり,大きな注目を集めている。さらに,眼科領域における臨床応用の可能性として,ROCK阻害薬は,緑内障手術の補助効果,角膜内皮再生・創傷治癒の誘導,神経保護作用,眼内増殖病変の収縮抑制,網膜疾患における黄斑浮腫の軽減など,多彩な可能性が期待され,研究展開されている。