特集2 眼疾患におけるROCK阻害薬の可能性
5.ROCK阻害薬と眼血流増加作用
杉山哲也
1
1京都医療生活協同組合 中野眼科医院・院長
pp.1510-1514
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061510
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緑内障の進行には眼圧非依存性障害因子,中でも眼血流障害の関与が示唆されている。最近,緑内障治療薬として臨床応用されたROCK(Rho-associated coiled coil forming protein kinase)阻害薬・リパスジル点眼液や既に他科領域で臨床応用されているROCK阻害薬・ファスジルの眼血流への作用について,過去の報告や自験例をまとめた。 ROCKはカルシウムを介さず血管収縮を促進する酵素であり,これを阻害することによって,眼血流,特に組織血流の低下を抑制することが示されつつある。 今後はROCK阻害薬の眼圧下降作用のみならず,眼血流改善作用が緑内障性視神経障害の抑制に寄与するかどうかを含めて,さらに検討していく必要がある。