小特集 治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の治療戦略
序:血圧コントロールの実際と降圧療法の意義
檜垣實男
1
1愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学・教授
pp.679-681
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201602679
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降圧力が強く,安全性に優れた降圧薬や,その配合剤の登場によって,高血圧治療は著しい進歩を遂げた。降圧療法の成果は降圧度に依存するものであり,降圧目標値以下に血圧をコントロールすることが重要である。わが国では3種の異なる作用機序の降圧薬を併用しても,血圧が目標血圧に達しない治療抵抗性高血圧が,一般診療の場で13%程度,ハイリスク高血圧を対象とした臨床試験では30?50%存在すると考えられている。 このような治療抵抗性高血圧の予後は不良で,より強力な降圧薬の使用や併用療法などの手を尽くして血圧の正常化を図ることが,わが国の医療における喫緊の課題の一つである。