小特集 治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の治療戦略
1.治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の実際 1)治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の定義と頻度
藤野貴行
1
,
長谷部直幸
2
1旭川医科大学内科学講座循環・呼吸・神経・病態内科学分野
2旭川医科大学内科学講座循環・呼吸・神経・病態内科学分野 教授
pp.682-686
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201602682
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
治療抵抗性高血圧の頻度は,全高血圧患者の3~30%であることが報告されている。治療抵抗性高血圧は,クラスの異なる3剤の降圧薬を用いても,血圧が目標値まで下がらないものと定義されている。また4剤以上の降圧薬で血圧が目標値に到達しているものは,コントロールされた治療抵抗性高血圧に含める。治療抵抗性高血圧の頻度が報告間で異なるのは,定義や血圧測定法の違い,あるいは診察室血圧で定義されていることから,白衣性高血圧や二次性高血圧を含んでいる可能性もある。一方,治療抵抗性高血圧は心血管疾患の有病率や生命予後とも関連していることが明らかなことから,JSH2014ガイドラインでは高血圧専門医への紹介を勧めている。