Japanese
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特集 B型肝炎の現状とワクチン定期接種化の意義
序 -B型肝炎ワクチンの今日的意義とは-
What is the contemporary significance of the hepatitis B vaccine?
岩田敏
1
Iwata Satoshi
1
1国立がん研究センター中央病院感染症部長/慶應義塾大学医学部 特任教授
キーワード:
B型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
定期接種化
,
水平感染
,
性感染症
Keyword:
B型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
定期接種化
,
水平感染
,
性感染症
pp.26-28
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201711026
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B型肝炎の予防法としてもっとも重要なB型肝炎ワクチンは,わが国においては1985年6月から母子感染対策として「B型肝炎母子感染防止事業」が開始され,母子間のHBV感染によるキャリアの発生は劇的に減少した。また,2016年10月からは待望の乳児に対する定期接種化が導入され,2016年4月以降に出生する小児全員を対象としたユニバーサルワクチネーションが開始された。これにより,わが国におけるB型肝炎ワクチンの意義はさらに高まり,母子感染に加えて水平感染の減少が期待されるところとなった。今後の課題として,性感染症としてのB型肝炎の増加や,免疫抑制・化学療法等実施時におけるHBV再活性化が問題視されている昨今の状況から,ワクチン未接種者に対して広く接種を勧奨していくことが望まれる。