第 II 部 注目の新薬
一般名:ソホスブビル 「ソバルディ® 錠 400mg」」
泉並木
1
1武蔵野赤十字病院・副院長/消化器科・部長
pp.283-288
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613283
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ソホスブビルは,C型肝炎ウイルス(HCV)に対する経口DAA(direct acting antiviral)製剤の一つの核酸型ポリメラーゼ阻害薬である。
核酸型であるため,直接HCV RNAに偽核酸として取り込まれ,HCV RNA合成を終始させるチェーンターミネーターとして作用する。従って,酵素を阻害するタイプのものとは作用機序が異なるため,耐性変異が生じにくいという特徴を有する。また,薬物相互作用や副作用が少なく,1日1回の内服で奏効率が高いため,臨床的に使いやすい。HCVのすべてのジェノタイプに作用し,わが国の開発治験ではジェノタイプ2型に対して96.8%,ジェノタイプ1b型に対してレディパスビルとの併用で100%の持続的ウイルス陰性化(SVR)が得られている。今後のHCV治療の主流になる薬剤と考えられる。