特集 C型肝炎治療における新時代の幕開け
3.インターフェロン治療のこれまで,そしてこれから
平松直樹
1
,
小瀬嗣子
2
1大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻消化器内科学 准教授
2大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻消化器内科学
pp.73-79
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201601073
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C型肝炎治療は,Peg-IFN+ RBV(ペグインターフェロン+リバビリン)併用療法の時代から,近年,治療効果の向上あるいは副作用軽減を目指して,多くの新規抗ウイルス薬の開発が行われてきた。2011年に保険認可となったわが国初のDAA(直接作用型抗ウイルス薬)である第1世代プロテアーゼ阻害剤のテラプレビルと,Peg-IFN,RBVとの3剤併用療法では,抗ウイルス効果は増強したが,高度の貧血への進行,重篤な皮膚病変の出現など,副反応の増強も認めた。第2世代プロテアーゼ阻害剤であるシメプレビル,あるいはバニプレビルとPeg-IFN,RBVとの3剤併用療法は,IFN-based therapyの第一選択であり,Peg-IFN+ RBV併用療法に比し,副反応はほぼ同等で,著効率は,初回治療例ならびに前治療再燃例で約9割,前治療無効例で4~5割まで向上した。