くすりの話題
これからの抗ウイルス剤—インターフェロン誘発物質
石田 名香雄
1
1東北大細菌学
pp.440-441
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203046
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ウイルス病回復の過程においてインターフェロンという分子量3万の蛋白が網内系の細胞や白血球から放出される.産生細胞の種類に応じて分子量は6万のことも9万のこともあるが,いずれのインターフェロンもただちにウイルス感染細胞にもぐりこみ,そこでウィルス合成を即時に停止させる.その理由はウイルスのメーセージ(遺伝情報)の伝達(蛋白合成)のみが特異的に阻止され,宿主細胞のメーセージの伝達は阻止されないような蛋白がインターフェロンの入った感染細胞内で合成されるからである.しかしここにはその機作を深くたずねず,ウイルス病の患者において,いかにしてこのインターフェロンを大量に動員して治療に結びつけるか,方法論を考察してみたい1)2).
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