第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
眼科治療薬
久保江理
1
1金沢医科大学眼科学講座・特任教授
pp.557-561
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513557
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日本人の失明原因疾患の第一位は,緑内障である。現在,緑内障に対する眼圧下降目的の点眼薬治療は,単剤投与から開始し,眼圧下降効果が不十分な場合,点眼薬の変更や追加が推奨される。この点眼薬追加により,多剤併用治療が必要となる症例も多い。しかし,点眼回数が増える多剤併用では,アドヒアランスの低下による治療効果の減弱や副作用が問題となる。アドヒアランス向上を目的として2010年より2014年にかけて,数種類の配合剤が承認販売されてきた。2014年度には,新しい作用機序を持つRhoキナーゼ阻害薬も,販売承認された。本稿では,新規の緑内障治療薬を中心に,眼科領域の新規承認薬,臨床試験が進行中の新規治療薬についても概説する。