第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
眼科治療薬
吉澤史子
1
,
石田晋
2
1北海道大学大学院医学研究科眼科学分野
2北海道大学大学院医学研究科眼科学分野教授
pp.521-531
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413521
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高齢化・欧米化社会に伴い,わが国では加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)の患者数が急速に増加している。その治療の中心は,血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)阻害薬である。これまで治療の大きな位置を占めていたのがラニビズマブであるが,最近,耐性例や無効例が報告されるようになった。その時期に登場したのが,昨年末から使用可能となったアフリベルセプトである。既存薬との違いは,血管新生や炎症に関与する因子をより幅広く抑制すること,そして効果持続期間がより長くなったことである。二つの大規模な第III相試験で,ラニビズマブ4 週毎投与とアフリベルセプト8週間毎投与は,ほぼ同等の効果・安全性を示した。また,ラニビズマブ耐性・無効例に効果を示す報告が相次いでおり,今後長期継続投与の有効性・安全性の結果が待たれる。