特集 ウイルス感染症との新たな戦い ~グローバル化する 脅威の克服を目指して~
2.エボラ出血熱・マールブルグ病 (Ebola virus disease and Marburg disease)
安田二朗
1
1長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野・教授
pp.2555-2560
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511067
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エボラ出血熱とマールブルグ病は,それぞれフィロウイルス科に属するエボラウイルスとマールブルグウイルスの感染によって引き起こされる,極めて致死性の高い感染症である。これまでは中央アフリカを中心に散発的なアウトブレイクを繰り返してきたが,2013年末に発生した西アフリカにおけるアウトブレイクは,大規模かつ長期化の様相を呈しており,未だに終息していない。このアウトブレイクを機に,エボラ出血熱に対するワクチンや抗ウイルス薬が注目を浴び,研究開発や現地での臨床試験が積極的に進められている。本稿では,この二つの感染症についての基礎知識を概説し,ワクチンや抗ウイルス薬に関する最新の情報を紹介する。