連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART Ⅰ.院内製剤(73)
S-1服用患者における「フオイパン含嗽液」の口内炎発症に対する有効性および微生物汚染に関する検討
藤本雅宣
1
,
江草徳幸
1
,
青木直美
1
,
喜多村裕子
1
,
井上由貴
1
,
藤本英子
1
,
高橋謙吾
1
,
俵留美子
1
,
安原昌子
2
,
堀川俊二
3
1広島県厚生農業協同組合連合会 尾道総合病院薬剤
2広島県厚生農業協同組合連合会 尾道総合病院薬剤 薬剤科長
3広島県厚生農業協同組合連合会 尾道総合病院薬剤 薬剤部長
pp.147-151
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201508147
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がん化学療法の際,しばしば発生する口内炎は,疼痛による苦痛から摂食障害などのQOL(quality of life)低下を引き起こす場合があるため,その予防が重要となる。口内炎予防に活性酸素の発生を抑制する目的で,院内製剤であるメシル酸カモスタット含嗽液の使用が報告されているが,その有効性を検討した報告は少ない。また,本剤は増粘剤であるカルメロースナトリウム(CMC-Na)や矯味剤である単シロップを含むため,保存条件によっては微生物汚染がしばしば問題となる。尾道総合病院では,S-1(テガフール+ギメラシル+オテラシルカリウム配合剤)服用患者の口内炎予防に院内製剤として「フオイパン含嗽液」を使用する場合があり,その有効性並びに微生物汚染を調査した。その結果,微生物汚染は陰性であったが,「フオイパン含嗽液」の有効性は見られなかった。