連載 ●副作用・薬物相互作用トレンドチェック
注目論文を読み解く (35)
佐藤宏樹
1
,
澤田康文
2
1東京大学大学院薬学系研究科医薬品情報学講座
2東京大学大学院薬学系研究科医薬品情報学講座 教授
キーワード:
● 内反尖足, 肝機能障害,早産,低出生体重,網膜剥離,CYP2D6
Keyword:
● 内反尖足, 肝機能障害,早産,低出生体重,網膜剥離,CYP2D6
pp.790-796
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502790
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〔今月の注目論文のポイント〕 1.米国での症例対照研究において,妊娠2~4カ月での抗ウイルス薬の使用により,出生時の内反尖足のリスクが上昇する可能性が示唆されている。 2.米国の医療情報データベースを用いたコホート研究で,肥満,脂質異常症(高脂血症),生物学的製剤併用などが,メトトレキサートによる肝機能検査値上昇のリスク要因となることが示唆されている。 3.観察研究のメタアナリシスにおいて,妊娠中の抗うつ薬使用により早産および低出生体重のリスクが上昇する可能性が示唆されている。 4.台湾の健康保険データベースを用いたコホート研究で,経口アモキシシリンと比較して,経口フルオロキノロンでは裂孔原性網膜剥離のリスクが上昇する可能性が示唆されている。 5.健康成人を対象とした試験において,サルポグレラート併用によりメトプロロールの血漿中濃度が上昇し,CYP(チトクロムP450)2D6を介した代謝阻害による相互作用の可能性が示唆されている。 6.健康成人を対象とした試験において,トピラマートの併用により,メトホルミンの血漿中濃度は軽度に上昇し,ピオグリタゾンの血漿中濃度は軽度に低下したことが報告されている。