特集 臨床“Kampo”~各科領域におけるエビデンス~
5.更年期障害に対するKampoのエビデンス
髙松潔
1
,
小川真里子
2
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科 教授
2東京歯科大学市川総合病院産婦人科 講師
pp.713-721
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502713
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更年期障害は,従来より漢方療法の最も良い適応の一つであると考えられており,医療サイドのみならず一般の人々の間でも知名度が高い。実際,三大漢方婦人薬を中心に多くの方剤が利用されており,臨床的な手応えがあることには言を待たない。近年,西洋医学で重視されるEBM(Evidence-based medicine)という観点からも,基礎的な検討やランダム化比較試験の結果が報告されている。しかし,プラセボ対照試験では有効性を明らかにできてはいない。この理由としては,更年期障害における原因・症状の多彩性という特徴から,対象やアウトカムの指標の選択などの問題が考えられ,今後の更なる検討が期待されている。