特集 臨床“Kampo”~各科領域におけるエビデンス~
1.Kampoの基礎的エビデンス
上園保仁
1
1独立行政法人 国立がん研究センター研究所 がん患者病態生理研究分野・分野長
pp.689-691
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502689
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漢方薬は日本の気候風土に合わせて,また日本人の身体に合わせて,江戸時代より独自に発展したものである。合剤である漢方薬は,病を全体的に診る薬として発展を遂げている。21世紀になり,漢方薬は「なぜ効くのか?」,そして「本当に効くのか?」が科学的エビデンスをもって明らかになってきた。 今日,患者は病気そのものに加え,治療薬の副作用にも苦しめられる。また複数の疾患に同時に悩まされることも多い。「人」を一つと見なし,調和的な症状改善を目指す複合剤,漢方薬の有効利用が望まれるところであるが,そのためには客観的で質の高い臨床試験を行い,また生薬,成分ベースでの漢方薬のメカニズム解明が肝要になってくると思われる。