第 II 部 注目の新薬
〔アルコール依存症断酒補助薬〕「レグテクト®錠333mg」
樋口進
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター・院長/世界保健機関アルコール関連問題研究・研修協力センター長
pp.289-297
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413289
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
日本では,アルコール依存症治療の新薬登場は約30年ぶりである。レグテクト®(アカンプロサートカルシウム)は抗酒薬とは異なり,中枢神経系に作用する薬剤である。アルコール依存症とは,ほどよい飲み方ができないコントロール障害であり,治療目標は原則として断酒である。本薬は,アルコール依存症患者の病的な飲酒欲求を抑えると考えられており,断酒の維持を助け,断酒率を向上させることが期待される。アルコール依存症からの回復は難しく,再飲酒してしまうことが多い。治療に携わっている者は,いかにしてアルコール依存症患者を救済するか,日夜努力を続けている。本薬はその一助となる薬剤であり,本稿で詳細を解説する。