慢性疾患となった骨髄腫-どのように診断するか? どのように付き合っていくか? 骨髄腫治療薬の温故知新
モノクローナル抗体
張 高明
1
1新潟県立がんセンター新潟病院 内科
キーワード:
骨髄腫-多発性
,
Elotuzumab
,
Daratumumab
Keyword:
Multiple Myeloma
,
Daratumumab
pp.887-892
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017361082
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近年,多発性骨髄腫(MM)細胞の表面抗原に対するモノクローナル抗体(MoAb)の開発が急速に進行し,複数の抗体薬がすでに臨床導入されている.elotuzumabはSLAMF7抗原を標的とし,NK細胞の同時認識によって骨髄腫細胞を攻撃するMoAbであり,臨床効果発揮のためには免疫調整薬(IMiDs)の併用が必要である.daratumumabはCD38抗原を標的とし,CDC,ADCC,ADCP,direct inducing cytotoxicityなどの免疫学的攻撃機序およびT細胞やNK細胞への作用を介した攻撃機序を介した総合的治療効果を発揮することが報告されており,単独治療でも治療効果を発揮するが,プロテアソーム阻害薬(PI)やIMiDsとの併用によってその治療効果が増強されることが報告されている.
©Nankodo Co., Ltd., 2017